赤ちゃん盗難事件―カレル・チャペック短編集 2

 わたしたちはね、みなさん、単純な一つの人生しか生きることができないんです。たくさんの人生を生きるのはわたしたちの手に余ります。もし、わたしたちが人生の大部分を途中で失わなかったら、人生を生き続ける力はとうてい持ちえなかったでしょう。(「不眠症の男」より)
 口幅ったいことを言うようですが、正直な心を持つってこと。それこそが最高の健康法なのですね。もし人間が本当に真っ正直になったとしたら、ほんとは、死ななくてすむのかもしれませんよ。(「なくなった足の物語」より)
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人生の機微を凝視するチャペック特選の、奇妙な味わいに満ちたショート・ミステリー群(本の帯より)
チャペックの単純明快でユーモアとペーソスを感じる
推理とサスペンス、あるいはファンタジー短編集

先の『カレル・チャペック短編集』(青土社, 2007年)も
続く『ありふれた殺人――カレル・チャペック短編集III』(青土社, 2008年)も
一編が平均して10ページ程度
そのなかに密度の高い、すべてにわたって
興味深く満足度!?高い内容が込められています
ヴァリエーション豊富な一冊で一気にたのしませていただいた(笑)

はじめてチャペックの本それもこの本を手にされるなら
『金庫破りと放火犯』か、『泥棒詩人の話』または
タイトルにもなっている『赤ちゃん盗難事件』の立ち読み(笑)がおすすめです
もちろん、全編おすすめなんですが、最初の数行で興味をもっていただけるならと
おすすめ順に、この三作品をあげさせていただきました

どうでしょう!? ぼくだけかも知れませんが!? 最終編『輝ける深淵』は、チャペック22歳のときの映画にもなった世界最悪の海難事故の話で多少重苦しいかもしれません

『訳者あとがき』より
 いつでも手の届く身近なところにおいて、ふと、生活におもしろみが欲しいと思われたときに、もう読んだからといわずに、手にとって、どこからでもいいから、またページを開いていただきたい。そこにはいたずらっぽい顔のチャペックさんが待っているだろう。

星5つ(評価:星5つが最高、星1つが最低)