ロビン(1)

 

「英語歳時記/春」(研究社)から、ぼくの備忘のため、
ロビンの項目部分を2回に分けて書き写してみます。
ラック著「ロビンの生活」にも触れてくれています(笑)
Robin ロビン
ヨーロッパ産のロビンは robin redbreast (Erithacus rubecula) と称せられ、胸毛はとび色がかった橙黄色、背はとび色がかったオリーブ色、腹は白がかった羽毛であり、大きさは17cmくらいであるが、アメリカ産の robin (Turdus migratorius) はツグミの一種で、大きさは30cmもあるが、腹がレンガ色をしているため、イギリスからの移住民により robin と呼ばれている。この鳥は寒さの厳しい地方では渡り鳥であって、南方の温暖地で冬をすごすが、Englandでは1年中留まっていて、真夏に黙するのみで、そのほかは常に、単調ではあるが、かわいい声でうたう。木のうつろ、崖や壁の穴などに巣を作り、5、6個の白味がかった卵を生み、雌が2週間ばかり卵を抱いている間、雄は雌に餌を与える。こん虫やミミズを食とし。人が畑などを掘りかえしていると、そばに来て、ミミズを探すなどして人になれ親しみ、愛せられる鳴鳥である。この鳥は雌雄ひと つがい で巣をつくると、territory(なわばり)を設け、ほかの robin をその中に入れないよう、たえず闘争する習性をもっている。そのような性質から robin はおとぎ話や民間説話にもしばしば取り入れられ、歌にもよくうたわれる。David Lack はこの鳥の生態研究をし、The Life of the Robin (rev. ed. 1947), Robin Redbreast の本を書いた。
 Robin の歌には哀愁の調子をおびるものが多い。童謡の中にも2人の子どもが森の中で死んでいると、robin が落葉をくわえてきて葬るという詩があるが、Robert Herrick の Hesperides の中の 'To Robin Redbreast' という短詩にも、同じ意味のことがうたわれ、自分が死んで埋葬されたら、

   Sing thou my dirge, sweet warbling choraister,
   For epitaph in foliage next write this---
   Here, here the tomb of Robin Herrick is.

   私のため 挽歌をうたえーーーかわゆくさえずる小鳥、
   そのつぎに、木の葉で、銘をかくーーー
   ここに、ここに、ロビン・ヘリックの墓があると。