あなたのこころに灯を...センス・オブ・ワンダー(6)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/h/hagetaka0/20010101/20010101001320.jpg
小春日和にトンボも気持ちよさそうに身体を休めています




     夜の闇と静寂をとりもどしませんか

     あなたのこころのなかに

     ものの見えない世界をイメージしましょう

     あなたに新しい発見があるでしょう

     さあ 目をとじて闇の世界へ

     あなたのこころに灯が点るでしょう

     遠くから明るさと暖かさが近づいてきたでしょう



 生きものたちが奏でる音楽は、このほかにもあります。わたしはロジャーと、秋になったら懐中電灯をもって夜の庭にでて、草むらや植えこみや花壇のなかで、小さなバイオリンを弾いている虫たちをさがそうと約束しています。
 虫のオーケストラは、真夏から秋の終わりまで、脈打つように夜ごとに高まり、やがて霜がおりる夜がつづくと、か細い小さな弾き手は凍えて動きが鈍くなっていきます。そして、とうとう最期の調べを奏でると、長い冷たい冬の静寂のなかへひきこまれていきます。
 懐中電灯をたよりに小さな音楽家をたずね歩くひとときの冒険は、どんな子どもも大好きです。彼らは、しゃがみこんで目をこらし、じっと待っているあいだに、夜の神秘性と美しさを感じとり、夜の世界がいかに生き生きとしているかを知るのです。
    (「センス・オブ・ワンダー」 ・レイチェル・カーソン著・上遠恵子訳より)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/h/hagetaka0/20010101/20010101000350.jpg