地球大地へ人類の禊ぎ(2005.01.22・記)

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大地を耕し、種を撒く、
大地の恵み、土壌に養われ育つ植物を見守る。
収穫そして労働のときに感謝する。
大地からエネルギーを与えられてきた私たち人類。

いつのころからか、
人類は、大地の恵みを与えられるだけでは満足し得ず、
自ら手を施し、大地を、そして土壌を掘り返し、
「ここ掘れ!ワン、ワン!」よろしく資源を掘り返し取り出した。

石炭、石油など、私たちの生活を維持するために、
自然との共有を乱し始めた。

自らの豊かさを求めて、むさぼり、略奪していった。

宇宙の原理、自然の世界に臨み、
それらの恩恵に反して、
自然の恵みに手を下し、光をもつくりだし暗闇を照らしだす。

テクノロジー

私たちは、そこから何を得ただろうか。
重機の前に、テクノロジーの前に、
車社会の前に、豊かさという偽りのなかに、
私たちは、人としての温かさ温もりを捨ててきた。
大地に等しいくらい大きな何かを、
喪失したのではないだろうか。
豊かさと温もりを取り替えて来なかったか。

報い、報われる、何も望めない、望むべきではない。

いつか、大地と自然に、返すときが来るのだろうか。
取り尽くしてしまうのだろうか。

ここへきて、
声にならぬ大地の怒りのメッセージを私は耳にする。
大地に、自然を前に、私たちは共生の心、魂をもとう。
どこまでも謙虚さを失ってはいけない。
大地にひれ伏しても、大地の怒りは治まりそうもない。
愛する人を失わないためにも、
できることを、できるところから、昔にもどってやりなおそう。

もとに戻りはしないけど、戻せはしないけど、
これ以上汚さないためにも、
大地に土を、そして清い水を戻せないか。
大地から、そして私たちから平穏と平安を取り戻そう。

多くの不幸が表出してきたいまこそ、
人類の英知を尽くす絶好の機会だ。
いま、愛情をもって謙虚でいられるか、
それとも、このまま大地に、自然に牙を向けて掘り進むのか。
いまは、未来の幸福と不幸の選択を迫られているときだと思う。

画家ミレーの土の色、種を撒く農夫の姿、祈りの前に・・・
「晩鐘」が過去のことにならない、
未来のために、いまこそ、警鐘を鳴らしたい。

(2005.01.22・記)