未完成の美しさ(昨年2004.08.24)

未完成の美しさ(2004.08.24)

どんな仕事であれ、
スペシャリスト(達人)の仕事は完成度が高い。
美しさの極致を追求し、
完成時点でのベストなものを表現している。

完成ののちには、
その作品を踏まえて、
NEXT、もう次の頂点を目指している。
作品と作者の間に、そんな宿命を感じる。

こういった心境を、
昔(1983.01.01)、私はリルケの詩と並べて
<詩>に読んだことがある。



https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/h/hagetaka0/20010101/20010101003600.jpg



・・・その未完成
具体的に、じゃあどの作品だといわれても、
すぐには答えられないが、記憶にある限り、
彫刻家ロダンの未完成の作品など、
未完成から完成を想像、あるいは創造させる、
大いなるメッセージを私は読みとることができる。

スペシャリストのもつ力。
優れた作品と未完成品の対比から、
そこに創造性を生み出しているのだろうか。

私たちは、つい有名なものに、
こころ奪われ、動かされるようだが、
未完成のなかに宿る美にも、
こころを向けなければ、
偏った観察や判断をしてしまうようで怖い。

(昨年2004.08.24)

【写真:カラジウム、アイビーほか】大阪・umeda DT towerにて