危ない「大丈夫ですか」(昨年2004.08.15)

イメージ 1

 危ない「大丈夫ですか」(昨年2004.08.15)


あるTV番組で、レポーターが突然という設定で、
あるお宅を訪問、屋内に入っていく場面があった。

おじゃましまーす!
 (言葉を伸ばすな!)
あがって大丈夫ですか?
 (もう、あがってるやないか!)

あらかじめ、打ち合わせで、
そういった約束、手はずになっているからといっても、
訪問先の方の、
「どうぞ、お上がりください」の言葉を得てあがるべきだろう!

それはともかく、
「・・・じゃあないですか」
「・・・でよろしいでしょうか」
挙げれば枚挙にいとまがないが、
それらの自信喪失言葉と並んで、
この「大丈夫ですか」
奇妙な使い方をされている言葉のひとつだろう。

相手を思いやる精神が欠けた言葉に変質、
自分を対象にした言葉を相手に対して使っている。
変だぞ!日本語。
「日本語練習帳」( 大野 晋 著 岩波新書刊)
大いに話題になり、ベストセラーになった本だが、
この本を手にした人は、
危機意識のある人たちに限定されていたのだろうか。
本当に読んでほしい人には読まれていないのだろう。

伝える術を知らぬ人たちに読まれているのなら悲しい。
私が関わり合おうとよく言葉にするのは、
こういったことでもあるんです。
うるさいと言われても、うるさく言い続けましょう。
でないと、なにも変わりません。


「ぜんぜん大丈夫ですよ」という言葉もよく耳にする。
俗っぽい話し方表現の意味づけで、
「全然いい」というように、
辞書にもあるくらいだから、
容認しなくちゃいけないのかも知れないけれど、
少なくとも私には使えない、許せない言葉遣いになる。
「全然、大丈夫」といった言われ方もしている。

私のなかの「全然」は、
まったく駄目だ!というように、
後ろに否定をともなう表現である。

(昨年2004.08.15)


【写真:カラジウム】大阪・umeda DT towerにて