忘れることの効用

 


忘れることは健康の証(久世光彦
 森繁さんが、曾孫たちの名を取り違えるのは当然である。そうでなければ可笑しいし、人間として可愛くない。忘れるから新しく憶えるのだし、新しく憶えた分、古い記憶は押し出されてしまうのだ。人間の脳のキャパシティーは、それほど大きくはない。特に老人の場合、忘れることは健康の証とも言える。

文:久世 光彦、語り:森繁 久彌『生きていりゃこそ』のなかの『血脈』から 



忘れることの効用


矛盾しているかもしれないが
忘れておもいだす繰り返しから忘れない能力も育つ



上記引用文のことは老人でなくてもいえるし、そう信じたい。
忘れることは、しあわせへの第一歩、はじまりだとおもう。

忘れることを知っているから、ぼくは忘れることを気にしないでいる。
むしろ、早く忘れられることに感謝している。
忘れたことを紐解く機会が多くなって、それがまた、たのしい(笑)

いまは、とりわけ、忘れるのがいい時代になっているとおもう。
インターネットさえあれば、いつでも、忘れたことをおもい出せる。

忘れてもここで大事なのは、キーワードです。
連想ゲームのように、忘れたことをおもいだすヒント、
キーワードをどれだけ、引き出せるかということが重要になる。

忘れることをおもいだすゲームは、
創造性を開発することにほかならないとおもう。
脳は活性化され、若返る。
こころとからだの健康は、創造性に負うところも大きいとおもう。