イソップ寓話集〈1〉 (1982年)

 
イソップ寓話集〈1〉 (1982年)
渡辺 和雄 (翻訳)
小学館
1982年11月



出典先がいろいろあるのかもしれません。

これまで読んだ「イソップ寓話集」と、
その収録数や翻訳がずいぶん異なりました。
それはそれで新しい感動をそこからいただきました。

これより先に読んだ
「新譯伊蘇普物語〈上篇〉 (世界名作名訳シリーズ)」
は、(名訳)とあるように、
それは、読みやすくわかりやすい文学作品といえます。

ぼくの精神状態に起因するのかもしれませんが、
これは、ともすると内容から外れてしまいがちで、
幾度となく、読み直しを強いられました(笑)

そんなものではないのでしょうが、
上田萬年翻訳のものと比較すると、
エジプトやギリシャ神話による文献注釈があるように、
ぼくには、学術的な表現、翻訳のように思われました。

イソップ寓話集―19のおはなしとイソップにまつわる伝説と歴史」
上記あとがき!?「イソップの生涯についての伝説」の
全文を興味深く読みました。
これだけで、十分、一冊の本になるというものです。

この巻には186の寓話が語られていますが、
なかでも、85番目の「農夫と木」が印象に残りました。
『教訓的な結論』だけ引用抜粋すれば、
『このように、人間は生まれつき正しいことを愛しうやまうよりも、利益のほうを追いもとめるものなのです。』



「イソップの生涯」から印象に残ったメッセージ
『獲れたものが大きいといって喜ぶな、小さくても嘆くな』
『容易に見つけられるものは、あなどるのもまた容易』

それにしても、イソップの死、最期のシーン、
イソップの比ではないのは明らかだけど、
ぼくのいまを投影しているように思われた(笑!?)

そういう意味でも、この本との出合いは必然だった!



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