新譯伊蘇普物語〈上篇〉 (世界名作名訳シリーズ)

 

 
新譯伊蘇普物語〈上篇〉 (世界名作名訳シリーズ)
はる書房
2005年11月
上田萬年(翻訳・解説)



明治40年刊行初版を底本として再現してくれた本

作家:円地文子の父にあたる上田萬年(かずとし)の翻訳
http://ja.wikipedia.org/wiki/上田萬年

『言葉づかいの新しさがよくわかる。(中略)声に出して読んでみると百年前の文章とは思えないほど滑らかで現代ふうである。』と、巻末の作品案内で記されているように、実に読みやすく、わかりやすく、すっとからだのなかに入ってきます。

イソップ(紀元前619年 - 紀元前564年ごろ)
2500年も愛され続けていることに驚異を隠せません

アーサー・ガイサートさんの下記絵本との出合いがこの本を手にするきっかけです
イソップ寓話集―19のおはなしとイソップにまつわる伝説と歴史」


イソップ寓話集」をアメリカ大統領リンカーンは暗記していたという!?
また、ことあるごとに演説のなかで引用等をしたとか!?
とりわけこんにちの、そして、とりわけ日本の政治家たちの
からだ、血となり肉となるよう、採りこんでいただきたいものだと思います

小さいときから、ずっと伴侶として、いつもそばに、
からだのなかに採りこんでいけたら、どんなにしあわせだろうと思います

とりわけ(笑)日本のように、キリスト等宗教的!?
精神的土壌!?支えをもっていない、なくしている国民には貴重な伴侶でしょう
さらには、おじいさんやおばあさんの会話や
核家族で家族間の交流が困難で、そのことに起因する社会問題が多いこんにち
このテキスト、「イソップ寓話」こそが大きな精神的支え
こころの支柱にしたい、しなければいけないと思います


驕ることなく誠実に謙虚に生きなければいけないと強く思います
マイナスからプラス思考へ、弱気を勇気に変えてくれる本


みんな示唆に富む話ばかりなんですが、
いまのぼくには下記の三つが印象に残りました(笑)
キリギリスのように『末の準備を怠』って生きたぼくの人生
『強壮の時機を、徒に遊んで暮らせば、老いて必ず悔ゆる時があります。』
芥川龍之介杜子春」ふうな生活を繰り返しているなぁ(笑!)
いまさら反省しても間に合わないけど
もっと『末の準備』をしておくべきでした・・・

第二十「葡萄園」
第七十四「アリとキリギリス」(漢字表記)
第七十八「車力と力の神」


余談です。また、何を意味するのかわからなく記述します(笑)が、下記、こんにち何の抵抗もなく記していますが、改めて当然のように気づかされ感動しました。
『本書において仮名の完全な表音表記を試みた。(中略)現代の表記法より進んでいる。』

じゃあ、次には、渡辺和雄/訳「イソップ寓話集」(二巻)
そして、「Aesop's fables」欧文に浮気してから
この下巻をたのしむことにしましょう・・・



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