単純な「革命理論」(若月俊一著「村で病気とたたかう」)引用

 
全文、引用にて失礼します。


無知は罪、無知は悪、馬鹿だなぁ! 知らなかった!!
こんな立派な人がいるのを知らなかった!
いい歳して・・・

いまからでも遅くないと勉強します。

数日前、夜、TVで政治!?討論されているときに、
出演者のどなたかから、教えていただき、その場で、
すぐさま、図書館に貸し出しを依頼し読んでいます。

まるまる下記一節を転載させていただきます。不都合が生じれば、非公開、削除します。
前後関係等、詳細は、
下記、若月俊一著「村で病気とたたかう」をお読みください。
1971年4月23日第一版発行と、古い本のように思われるかもしれませんが、
その医療の内容といい考え方、思考は、現実をも超越しています。


単純な「革命理論」
その頃の病院もやや大きくなって、内科、外科の医者のスタッフもふえ、産婦人科なども開設されて、ベッド数は、第一病棟の落成とともに、100になっていた。従業員数は60を越えていた。その中で「分院派」は、医者、看護婦を合わせて十数名であった。四分の一にもみたないのであるが、独身の医者たちを中心にしての若い看護婦さんたちの集まりはこわい。しかもこれをあおるものに外部の革新組織がある。この連中の意見に従うと、「今やわが国は革命か非革命かの分岐点に立っている。そして被圧迫階級にとって、革命はすべてに優先されなければならない。革命のためには、佐久病院なんかつぶしたって仕方がない。」ざっとこういう考え方なのである。単純明快でよくわかるが、考えてみれば非常に危険である。
 いったい彼らのいう革命は誰が起こすというのだろう。一部の政党や一部のイデオローグだけで、「大衆の支持」なくして、それができるというのであろうか。少なくともこの日本の現実の中で、そんなことが考えられるだろうか。大衆とか、農民とかいうものの理解においては、どうも私どもの方が、彼らより若干まさっているように思えた。大衆というものはそんなに甘くはない。利己的で即物的で、いわゆる「理論倒れ」のイデオローグたちとはちがう。しかも大衆ぐらいこわいものはないのだ。他面、理性的でしんぼう強くて、結局は歴史の主役者になってしまう……。
 いったい、私たちは政治家ではないのである。医療従業員、医療技術者なのである。この点の反省は、私は前に自分の「転向」のいきさつの中でくどくど述べたとおりである。その点の限界を真剣に考える必要があるのではないだろうか。私はレーニンのいうような「職業的革命家」にはなれなかった。そして医者になった。しかし、その限界の中で、大衆の「お役に立てる」と考えなおしたのである。この医療機関を守ることが私どもの任務なのであるにもかかわらず、その任務を忘れて、なまはんかな政治家気取りはまずいと思うのである。いったいこの病院は一政党のものではない。「農民のための、農民の手による」という標語が(たとえ与えられたものであっても)かかげられている農業協同組合のそれなのである。しかも現実の農民は何といってもまだ「遅れている」面も少なくない。その病院なのである。その組合員全体の民主的な方法による納得をえないで、いたずらに先ばしったことをすれば、組合員の名において必ずはげしいしっぺ返しをくうであろう。
 私どもは農民の健康を守るのが真の目的なのだ。そのためにはまず、今日の日進月歩の医学の修得を心がけなければならない。いい加減の医学や技術で、どうして「農民のためにつくす」ことができよう。私はよく、レーニンが親友ゴーリキーに書いた手紙の一節を若い医者たちに読んできかせるのだ。「同志の医者、とくにボリシェヴィキの医者には用心しなさい!いつかある良い医者が話してくれたことがありましたが、実際、同志の医者は100人の99人まで『やぶ』ですからね……」(1913年11月、クラコフからカプリ島宛)。そんな「インチキやくざ」になってはならない。
 実際問題として、私どもの砦である病院の経営をしっかり守らなければ、結局つぶれる以外にはない。それほどきびしい「低医療費」の医療保険のシステムの中に私どもは現在いるのだ。ちょっと油断すればすぐそういう危険にさらされる。だが、だからといって、今の日本の医療制度が悪い、社会のしくみが悪いのだからという理由だけで、もし私どもがかってに保険の「水増し」や「不正請求」などをすれば、これはたいへんなことになってしまう。世の中が悪いから、医療費の公定が安いから、やむをえないでは通らないのである。世の中が悪くても、人のものをとれば泥棒になると同じ理屈である。彼らの中には「水増し」正当論をふりまわす者もあった。私どもはそれに強く反対した。彼らにいわせると、私どもが今の政府に順応して、低賃金と労働強化を一方的に従業員におしつけている。だが、私どもは私どもなりに「低医療費」のひどいことを世間に宣伝し啓蒙しつづけてきた。他にどんな道があろうか。だからこそわれわれは力を合せて闘わねばならないのである。そして、国民大衆をふくめてのはば広い闘いにしなければならないのではないか。それには長い努力がいるのだ。



そして、そして、

ちっぽけな、ちっぽけな自分だけのしあわせじゃなく、
でっかい! でっかい! しあわせを、みんなでこの国から勝ち取ろうよ!!

しあわせとか裕福、経済大国といった格差から鑑みて、
ある意味、この国は、北朝鮮以下だと思うんです。

金正日総書記は世界最悪の独裁者、米週刊誌
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/world/north_korea/