となりのクレーマー/関根 眞一 (著)


となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術 (中公新書ラクレ 244) (新書)
関根 眞一 (著)

すでに、この新書判より先に、おなじ著者の「苦情学―クレームは顧客からの大切なプレゼント」(単行本)を読んでいました。

そんなこともあってでしょうか、いろんな角度から、さらに、苦情、自分がとなりのクレーマー当事者になるかも、なったら、どうしてクレーマーが生まれるのって肩の力を抜いて読めたように思います。

弁護士がみなそうだとは思わないが、クールな人間、あらゆる事象を感情を抜きに、客観的に考察する、そんな必要に迫られるときに、手元にあるといいだろうヒントがたくさん盛り込まれている。

対応や対処でなく、クレームが生まれる社会背景を追究するべきではないかと、二冊を読んで、そう強く思うようになった。

企業や販売店と消費者の考え方の相違、守りの体制に入りやすい閉鎖的、風通しの悪い企業体質や姿勢等々に見受けられる、消費者から乖離したビジネスの展開に根本的な問題があるような気がしてならなくなった。

穿った見方で哀しいのですが、過去にクレーマー扱いをされたのであろう経験者として、だれもがクレーマーにさせられる、ある種、陰湿な社会でもあることを心しておくのがよいと思う。そのため、敵側の読みを知るうえにも、読んでおくといいと思う。

相対する意見を戦わせて、互いに思考の隙間を理解し共存共生できる、ディベートなど良質なコミュニケーションがなによりも望まれる社会にある、歪んだ日本社会だって、私は警鐘を鳴らしたい。