白い椿(昨年2004.12.27記)

イメージ 1

 
お城の庭園に舞う風
寒々しく衣を落とした木々
鉛色の空
鈍いモノトーンの空気があふれている

小雨上がりの柔らかい地面
茶のグラデーションが美しく乱れ
僅かばかりの深紅の葉が
離れがたく枝に垂れ下がっている

天上から恵みの光の梯子
深紅の葉が透き通る
木洩れ陽の差す地面に目を落とす
白い椿の花三姉妹が仲良く並んでいる

弱い一条の光を浴び
深紅の葉は透けて美しく輝き自慢げ
足下の白い椿は寡黙に僕を見上げている
お話しましょって囁いているよう

一緒に葉から飛び降りたの?
よく離ればなれにならなかったね
誤って頭から落っこちずによかったね



もう お別れしなくちゃいけないんだ 僕

(昨年2004.12.27記)