悲痛

 
家から一歩、外に足を踏み出す。
町に出るのが怖い、町に出て悲しい思いをすることしきりです。

むかし、町は、木々の香り、草花や花の甘い香り、土の香り、自然の香りに満ちていた。
いま、町は、煙草や車の排気ガスの悪臭、アスファルトの臭いが充満している。


むかし、人には思いやり、正義が目にみえ、それぞれがつながっていた。
それによって、人々の暮らし、町の安心と安全が保たれていた。

いまは、目に飛び込んでくる人がみな棘だらけの人形に見えてくる。
そのファッショナブルな姿と姿、心と心が散り散りばらばら、
そして、人と人が、どこにもつながっていないのが見て取れて悲しい。