彼岸花(昨年2004.09.17記)

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和泉山脈を挟んで大阪府和歌山県境、
とりわけ和歌山県に入ると、
高地ではまだ、
ライトグリーンに敷き詰められた稲が美しい。

平地になると、もう、稲刈りも終わり、
焼き畑と化し、ところどころで、
澄んだ青白い弱い煙をあげている。

電車車窓、快速列車など、
新しい車両だと窓を開けられないので、
煙の香りを嗅ぐこともできない寂しさを思う。
からだに良い香りがするんだけれど…。

広い田のなか、
腰をかがめたおばさんが見えたり、
コンバインを操縦するおじさんがいたり、
働いている姿が目に入ってくるのもうれしい。

収穫のよろこびを一緒に祝いたい。

先ほどのライトグリーンの稲田と稲田を挟んで、
雑草や大豆で満ちているのだろう濃い緑の畝が、
稲田の面を区切るように線となって表れる。

10日も前くらいから、
その濃い緑の畝が、
徐々に赤い色を散りばめ始め
いま、深紅の帯状をなしている。

この花だけじゃないのだろうけど、
実に正確に開花時を覚えているように思う。
それも春と秋の二回、きちんと。

ああ、お彼岸なんだと思う。

地面に凛として垂直に伸びた姿が美しい。
茎の緑とも対比して深紅の花が美しい。

やや太く頑丈な花茎と
水引きのように強く反り返る花被片
その対比もまた、その色合いとともに魅力的だ。

曼珠沙華という別名も、
深紅色と華麗な線条花被片の姿と相まって
この四文字、妖艶なイメージがする。

和歌山駅に到着する、6時前、
天使の橋といいましたっけ、
雲間から力強く扇状に漏れる夕陽のなんと美しいこと。

(昨年2004.09.17記)


写真:大阪国際会議場グランキューブ 12階特別会議場天井(壁面)田植えの絵で恐縮ですが