吸血コウモリ~抗凝血剤~人の英知

 
なにかと示唆に富む話だと思い、自分の備忘録として残しておこうと思いました。

「魔法使いの秘密の道具箱」 技術評論社発行(井口智子★訳)より転載
*「夜に生きるものたち!~オオカミ男、巨大なゆうれい犬、吸血コウモリ」の一部引用転載
 コウモリは3番目に有名な夜の生き物だ。だが、これをおそれるのはまちがっている。ロマの人々は、コウモリはよい生き物だと考え、幸運をよぶために、コウモリの骨を小さなふくろに入れて持ちあるいている。たしかに、吸血コウモリ(学名 Desmondus rotundus)は存在し、中央アメリカと南アメリカに生息している。だが、人間をおそうわけではない。吸血コウモリの体の大きさはおとなの親指ほどで、羽根を広げた長さは20cmぐらい。ねむっている動物のひふに小さなきずをつけて、だいたい1日に大さじ2はい(30ml)の血をすう。そのだえきには、血が固まるのをふせぐ成分がふくまれており、脳こうそくの治療に役立つかもしれないといわれている。だが、おどろくにはあたらない。われわれ魔法使いならよく知っているとおり、世界中のすべてのものには、存在する意味があるのだから。小さな吸血コウモリもふくめて、すべてのものは何かを教えてくれているはず。それを見つけだせるかどうかは、われわれの賢さにかかっている。

(2005年07月16日・記)