粋な中吊り広告(2004.07.18)

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夏祭りのシーズン、
素敵な地下鉄中吊り広告に出合いました。
涼を呼んで、エアコンの風に、
やわらかくなびいていました。

なにが「粋」かって、
通常の紙を使わずに、
木綿さらしの手ぬぐいを使っていること。

夏祭りに欠かせない手ぬぐい。
真ん中に髭文字の朱書きで「祭」の文字の入った、
「はちまき(手ぬぐい)」は夏祭りの定番商品。
水色か藍色の水玉模様も全体にあしらわれている。

台所での布巾も木綿だと思うが、
化繊等新素材に押されて、
近頃では、あまり目にしなくなった。

この中吊り広告、
思いの外、粗い生地で、
二枚重ねているのでモアレ現象を醸し出していて、
そこまでの演出を企画したかどうかはともかく、
すだれ、よしず…夏の風物詩へと
イメージがふくらんだ。

いまの時季をおいてほかに考えられない中吊り広告。

デザインも、
花火イメージ、扇風機、猫のタマ、
団扇片手に浴衣姿。
ちょっぴり色っぽいポーズ、
風呂上がりなんでしょう、
涼む「サザエさん」の母フネさん。

印刷色も夏祭り「はちまき」の伝統を継承、
朱(ピンクに近いか)と、船にふさわしくネイビーブルー。

で、キャッチコピーに「熱い」とうたっている。
書体に、髭文字に替え、
こちらは勘定流を使っているのも当然の成り行きか。

印刷は裏を見た限り、シルクスクリーン印刷かと思われました。

うれしくなる広告でした。

気になる、この後…(2004.07.19)
この中吊り広告の掲載期間終了後は、どんな運命をたどるのでしょうか。ちょっと、興味のあるところです。
中吊り広告の取り付け取り外し作業をしている人たちの汗をぬぐうことにでも一役かうのでしょう。そうあってほしいなぁと思います。


(2004.07.18)


【写真:地下鉄中吊り広告】