洪水のあとで―ノアたちのその後

 
洪水のあとで―ノアたちのその後
1994
こぐま社
アーサー ガイサート, Arthur Geisert, 小塩 節, 小塩 トシ子

読んだのは日本語版ですが・・・
http://ec2.images-amazon.com/images/I/41R7BN2DEYL._SS500_.jpg



 
 
ノアの箱舟」のその後を
想像と創造力豊かに
エッチングで表現されています

先の「ノアの箱舟」は創世記をイメージ
動物の百科全書風でもあり
嵐の海になすすべのない舟の中の生活
当然、モノクロームの世界でした
それでも、たくさんの動物たちの生活が
見事にかつ生き生きと描かれていました

「洪水のあとで」では、山上から舟を地上へ移動し
舟の後利用そして人間と動物たちの共生しあう姿
生きるための生活が力強いタッチで描かれています

地上では植物や食料、種まきから収穫まで
生きるために欠かせない日々の営みが隣り合わせ
きわめて現実的かつ日常的な地上の生活があります

静かな、でも生を活かすことをたのしみ
自然からの恵みに感謝する心
生活のありようはかくあるべし
といったメッセージを感じます

ですから「ノアの箱舟」のような
色のない世界は考えられません
緑の大地に青い空や湖
収穫豊穣の小麦と赤ワインづくり
天と地の架け橋レインボーと
自然を象徴する色で満ちています

雨と洪水の回想、虹のエンディングに
自然への敬虔な祈りを
いっしょに願わないではいられません
 





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