夢十夜【ブックレビュー】




画:造本 金井田 英津子さんの世界に
ともに遊び、たのしませていただいています

どこまでも精細で、それでいて力強く、幻想的で
奥深く、興味の尽きることのない画に感動しています

版画の妙

多色刷りの妙

製版印刷技術が実にすぐれています
金井田 英津子さんの神経が
隅々まで生かされているのだと思います

画の細部をルーペでのぞかせていただいた
特色印刷表現しているものとばかり思っていたものが
実は二色の掛け合わせだったり
掛け合わせているなとにらんだものが外れたり
どうして、そうしたのか、そんなことまで、たのしみ


優雅で美しく幻想的な漱石の文はいうまでもない


画もさることながら、とりわけ色づかいが好きです
紙の地色が実に巧みに生かされています
画のトリミングやアングル、大胆かつ繊細な構成、影の扱い方
夢十夜」の世界をさらに大きく夢たらしめていると思う

どのページも魅力的ですが
いちばん感動したページは雨のページでした



星5つ(評価:星5つが最高、星1つが最低)