【ブックレビュー】上方落語 桂米朝コレクション〈7〉芸道百般 (ちくま文庫)

 

タイトル:上方落語 桂米朝コレクション〈7〉芸道百般
米朝(著)筑摩書房




百均ショップ感覚のTV業界、
ある意味、配下の芸能プロダクションといった風に、
いないいないばあっ!』風に哀しいほどに、
ずいぶん幼稚化して久しく思います。

古くはオタク、ニートだとか、ネットカフェ難民
さらには、うつ病と、ここへきて、
さらにその影響を強く後押ししているのかもしれません。
否、彼らは、むしろ、
個人的には、それへの反逆者だと信じたいのですが!?

また、親の七光りなど、芸能!?人二世も、
TV多局化時代に相応して増加傾向にあるように思われます。

まさに赤ちゃんをあやし、なだめるように、
いないいないばあっ!』的にTVに操られている現状です。

知らぬ間に、洗脳されるように、どんどん、一億総白痴化され、
一億総、金銭や時間等の浪費者にされています。

一権力者、政治家、官僚、企業家の絶好の餌食に、
とりわけ自立できず、また、横並びに流されて画一化されるよう、
プログラミングされ、そこから抜け出せないでいる日本人は、
格好の獲物以外のなにものでもないでしょう!?

芸とは、笑いとは、もっとユーモアやひらめき、発想、
創造、ウイット、知的な厚く大きな壁の向うにあるものに、
位置づけていたいもののように思います。

わたしにとって、あなたにとって、
真の「芸」や「笑い」のブランドを揺らぐことなく、
もつ、そして、この世界も持ちつづけていたいと思います。

持たされるのではなく、自分の観察眼、観察する知恵のなかで、
持って養い育てられるものでいたいと思います。

第一、「『お』笑い」などと『お』を頂く、冠をつけることが、
不自然で『お』をつける時点で、官僚管理下にあるようダメです。



「蟇の油」「看板の一」「抜け雀」はじめ、後半部分に心奪われ、
桂米朝さんの新作落語「一文笛」後半部分は、とくに、愛情あふれる噺で、大いに感激、感動させていただきました。

私たちの発した言葉や行動、どこでどんな災いや不幸を招いているやもしれません。そんなことに強く、緊張、慎重、留意、思いやり等々、奥深くまた、感慨深く受け止めさせていただきました。

まさしく「芸は身を助ける」です・・・

ぼくは宵越しの金も持ち得ぬどころか日銭さえままならぬ身ですが、
「不動坊」の金貸しの利吉のように恋愛を夢見て、
おもしろ、おかしく、たのしく、しあわせに生活させていただいています。

こうして、素敵な【上方落語桂米朝コレクションを、
読ませていただけている現実に大いに感謝しています。



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