食べものを拒み(2004.09.07)

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鮭(サケ)が産卵のセレモニーを終えたあと・・・の様子を「魚たちの風土記・・・人は魚とどうかかわってきたか」植条則夫著(発行所:毎日新聞社)は下記引用のように、そして、タイトルのように感動的に表現している。

・・・引用・・・
新しい生命がこの世に生まれ出づるための使命を無事終えた二尾のサケは、食べものを拒み、やがて永遠の眠りにつく。からだ中に傷を負ったサケは、川のあちらこちらに横たわっていたり、水の流れとともに川下に落ちていく。サケにとって最も自然な一生は、このように生まれた川が終焉の地となることなのである。
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願わくば私も、万一老衰で死のうものなら、生まれ育った故郷の人知れぬところで、土を掘り、死の床を用意し、最後の晩餐ならぬ「食べものを拒み」、人に迷惑をかけることなく、永久の眠りにつきたいものだと思う。

避けられないのだろうけど、腰も曲げず、小さくもならず、このまま元気に背筋を伸ばして、たのしく、明るく愉快に人生終焉のときを迎えたい。

ひとりの真摯な、誠実な人間として、
「食べものを拒み」
そう、やったー!人生終わったぁー!と、
笑い叫んで、静寂のときを迎えたい。

(2004.09.07)

写真:大阪国際会議場グランキューブ12階特別会議場天井(壁面)