20年ぶりの再会か

 
緑が好きなこともあって、マンションのベランダで雑多な植物を育てている。ゴムの木やガジュマル、カポック、竹など人の背丈以上になるのものが多い。そして、これらのほとんどが、このマンションに住み始めた当初以前からのもの。それゆえ植木鉢も大小さまざまたくさんある。もちろん土も、相当多くあるだろうと思う。

そんな環境が功を奏した、幸いしたのだろうか。

20年くらい前に、ベランダで植物をいじっていて、小さなこげ茶色のトカゲを発見したのを覚えている。そのとき、たった一度、目にしただけのトカゲ。その後、まったく目にすることなく歳月が経ったことになる。出合った当初は、どうしてるだろうかと気にはなっていたが、正直なところ忘れていた。

入居当時二戸借りていたのを、一戸にしたり、同じマンション内で間取りの異なるところへと生活環境に合わせて2回引っ越したりした。もちろん、植物たちも移動していることになる。

そして昨日朝、植物に水やりをしていて、眼下にベランダのコンクリート同様灰色をしたトカゲに出合った。20年ぶりの再会なのだろろか。あのときのトカゲかしら。

記憶をよみがえらせて思うに、大きさは、初対面当時のままのよう。色は違っている。コンクリートの住まいに合わせて保護色となっているのか。また皮膚表面の質感はコンクリートに似て粉状のように思われた。それとも代がわりし、20年前を先祖にしている子孫だろうか。などなど、何分といったわずかな時間だったが、この20年間に思いを馳せた。

友、遠方より来る。また楽しからずや

またの再会、それは今日かもしれない、明日かもしれない、また、うんと先のことなのかもしれないし、もう会えないのかもしれないが、たのしみに待っていたいと思う。