愛染橋

 
ぼくは、こういった初々しいというか、か細い、か弱いものにずいぶんと心惹かれます。根っからの演歌人なんでしょうね。
以前アップした本田美奈子「風流風鈴初恋譚」にたいへん似ているように思います。
山口百恵の「愛染橋」を、いま、聴いています。一緒に歌い、歌詞を拾っています。
しみじみと、女性の想いが伝わってきて、哀しくもうれしくもなるのです。
女性の想い特有のように思われるが、決してそうじゃないと思います。ぼくも共感できるところが大きいです。
なによりも、この「愛染橋」の作詞は男性なんですよね。小説でもそうですがフィクション、空想の世界で創作できるとはいえ、
何も知らないではここまで言及できませんものね。歌詞の一字一句、強く、その迷い、想いが伝わってきます。

その反面、現実に目をやると、すれ違う女性たちに、哀しいかな、こんな想いを想像しづらい自分がいるのも知るんです。
どこか、一時的にだけ、突っ張っているだけなんだ、そんな年頃なんだろうなって思いたいんですが、甘いんでしょうか(笑)

みんなだれかを愛し、悩み、ひとり苦しんでいるものなんですよね。
そのことに、少しでも、耳を、そして心を向けられたら、だれもが人にやさしく穏やかでしあわせでいられるだろうにって想いを強くします。


     ほほえんで 渡れば 恋がかなう
     うつむけば それきり 戸惑橋

     ただ一度 渡れば もう戻れぬ
     振り向けば そこから 想い出橋


上記、恋愛だけのことではありませんね。『恋』を『しあわせ』に、『ただ一度』の人生って置き換え考えたいものだとも強く!強く!思います。

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     愛染橋

          作詞 松本 隆・作曲 堀内孝雄



     春一番が 吹き荒れたあと
     花を敷いた 路地へ
     今日こそ 返事 聞かせてくれと
     問い詰められ そうで

     あなた以上に 優しい人は
     いそうにも ないけど
     結婚なんて 古い言葉に
     縛られたく なくて

     橋の名は 愛染橋
     ほほえんで 渡れば 恋がかなう
     うつむけば それきり 戸惑橋

     うちはさみしい 女やからね
     愛なんて よう知らん
     時の流れも 春のうららに
     渡りたい 渡れない

     髪の芯まで 厭きられる日が
     来ないとも 限らず
     そしたらすぐに 別れる勇気
     ありそで なさそで

     橋の名は 愛染橋
     ただ一度 渡れば もう戻れぬ
     振り向けば そこから 想い出橋

     うちは おろかな 女やからね
     人生も よう知らん
     けれどあなたに 手まねきされて
     渡りたい 渡れない