風流風鈴初恋譚(ふうりゅうふうりんはつこいばなし)

 
本田美奈子さんのアルバム「JUNCTION」のなかでも、気に入っている曲です。
彼女のこの歌へのよい思い入れが、抱えきれないほど、いっぱい詰まっているように思うのです。
彼女が亡くなってから、どんなに聴いたことでしょう。
つくづく、惜しい人が亡くなったんだって思い知らされます。
もっともっと、こんな演歌にも挑戦してほしかった。
演歌のジャンルでも、歌を曲を残してくれていたらと悔やまれてなりません。

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     風流風鈴初恋譚(ふうりゅうふうりんはつこいばなし)

          詞:岩谷時子 曲:弦哲也



     風鈴屋さんが来たよ
     これをひとつくださいな
     丸いガラスにひと刷け 赤い花
     江戸風鈴を器用に包み
     「 ありがとうよ」で 瞳(目)と瞳があった

     忘れられない 初恋の人
     名前を呼びたい 呼ばれない
     駆け出す背中に 涼しい声で
     土曜の日暮れは いつでもいるぜ
     だって だって

     風鈴屋さんは休み
     こんな晩は来ませんよ
     傘を叩いて もう 憎らしい雨
     ふと 風鈴の音色を聞いて
     振り向いたけど 空耳だった

     忘れないでね 初恋の人
     会いに行きたい 行かれない
     いまでは大人の男と女
     今度の土曜も 私は待つわ
     きっと きっと

     風鈴屋さんがいるよ
     胸を押さえて忍び足
     風にゆらゆら 短冊青い帯
     首に手ぬぐい ハチマキ締めて
     邪魔だ邪魔だと手が肩抱いた

     粋でいなせな初恋の人
     笑いたいけど 泣けてくる
     昔のまんまの やさしい顔ね
     秋風吹いたら 会えなくなるの
     嫌だ 嫌よ